Wednesday, November 09, 2016 4:44 PM

安倍政権のTPP戦略 漂う暗雲、承認へ突入図る

 安倍政権はアベノミクスの柱とする環太平洋連携協定(TPP)の承認案を10日に衆院通過させ、今国会中の決着を図る構えだ。発効に向け、オバマ政権の間の米議会承認に期待をつなぐが、大統領選でTPP脱退を明言してきたトランプ氏(共和党)が当選。行方に暗雲が漂う中で突入する政府に対し、野党は「拙速」と批判し攻勢をかける。

 「米国がTPPを批准する見通しがないのに日本だけ強行採決したら、世界の笑いものになる」。民進党の安住淳代表代行は9日の記者会見で、安倍政権をけん制した。

 政府、与党は当初、今月30日までの会期内の承認を確実にするため、1日までの衆院通過を目指した。山本有二農相の「強行採決」を巡る一連の発言で野党が反発し、目算は狂う。それでも「8日がデッドライン」(自民党国対幹部)として、4日の衆院特別委員会で採決を強行した。(共同)