Thursday, November 10, 2016 10:08 AM

米、年内承認見送りへ TPP発効困難に

 米議会で過半数を占める共和党の重鎮、マコネル上院院内総務は9日の記者会見で「環太平洋連携協定(TPP)が年内に議会に提出されることは確実にない」と述べた。大統領選でTPP脱退を掲げた共和党のトランプ氏が勝利したことを受けて、オバマ政権が目指す年内の議会承認を見送る考えを表明した。TPP発効は一段と困難になった。

 TPPは参加12カ国で最も経済規模が大きい米国の議会が承認しなければ発効しない。トランプ氏は「来年1月20日の大統領就任日にTPP脱退を宣言する」とし、日本など他の参加国に再交渉を求める考えもないとしている。オバマ大統領在任中の議会承認見送りで、米国とともにTPPを主導した安倍政権の通商戦略は大幅な見直しを迫られる可能性がある。

 菅義偉官房長官は10日の記者会見で、TPP発効が難しくなるとの見方を否定した。(共同)