Friday, November 11, 2016 10:07 AM

日印、原子力協定署名 核実験なら協力停止

 安倍晋三首相とインドのモディ首相は11日、官邸で会談し、日本からインドへの原発輸出を可能とする原子力協定を締結することで最終合意した。その後、両首脳が立ち会い、双方は協定に署名した。被爆国の日本にとって、現時点で核拡散防止条約(NPT)に加盟していない国との署名はインドだけとなる。歯止め策として、核実験再開時には日本の協力を停止する内容を別文書で確認した。日本の新幹線方式が導入されるインド西部の高速鉄道計画について2018年に着工し、23年の開業を目指す合意文書も取りまとめた。

 両首脳は会談成果を盛り込んだ共同声明を発表した。会談後の共同記者発表で、安倍首相は原子力協定署名に関し、NPT未加盟のインドを不拡散体制に実質的に参加させることにつながると指摘。「核兵器のない世界を目指すわが国の立場に合致する」と強調した。モディ氏は「歴史的な一歩を刻んだ」と述べた。

 協定は、国内承認手続きを経て発効する。日本政府はインドとの協定締結で原発輸出に弾みを付けたい考えだ。NPT未加盟国との協定署名には国内外から批判が出るのは必至。政府は協定で平和利用が担保されるとして理解を求める方針で、来年の通常国会での承認を目指す。(共同)