Tuesday, November 22, 2016 10:11 AM

越原発計画、白紙撤回 日本受注、コスト増理由

 ベトナム国会は22日、日本とロシアの受注が決まっていた初の原発建設計画について、東京電力福島第1原発事故を受けたコスト増加や財政難などを理由に中止する政府決議案を賛成多数で承認した。計画の白紙撤回が正式に決定。原発輸出を成長戦略の一つに位置付ける安倍政権にとって大きな打撃となった。

 完成すれば東南アジア初の原発となる予定だった。ベトナム政府は22日、計画中止に関する文書を発表し「日本とロシアの核技術は高いレベルで安全性が保証されている。今回の決定は技術面で問題があるためではなく、わが国の経済状況が理由」と説明した。

 ベトナムではグエン・タン・ズン前首相の政権下で原発導入計画を積極的に推進し、国会は2009年、中部ニントゥアン省の2カ所に計4基を建設する計画を承認。第1原発(2基)はロシアの受注が決まり、日本は官民一体で売り込みを図り第2原発(2基)の受注が10年に決まった。(共同)