Wednesday, November 23, 2016 4:47 PM

12月利上げ既定路線に 次期政権の政策が鍵

 11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は、参加者の大半が比較的早期の金利引き上げが妥当と判断していたことを明らかにした。中央銀行の信用をつなぎ留めるためには次回の12月会合で利上げに踏み切るべきだとする具体的な意見も出ており、経済指標の極端な悪化や国内外で想定外のショックが生じない限り、12月の利上げはほぼ既定路線となったといえる。焦点は来年以降の利上げのペースがどうなるかに移った。

 11月のFOMCはトランプ氏が勝利を収めた大統領選の直前に開かれた。金融市場はトランプ氏が掲げる大型インフラ投資や減税に期待し、株価は最高値更新が相次いでいる。連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は、長く続く低金利状態の打開には「財政政策による刺激も必要だ」と述べている。一方で、拡張的な財政政策によるインフレ加速も懸念されており、その場合にはFRBは今後の利上げを急ぐ必要に迫られるかもしれない。トランプ氏の経済政策は今後のFRBの金融政策の鍵を握っている。

 11月のFOMCの後、フィッシャー副議長や連邦準備銀行総裁らからは「12月利上げ」に関する言及が相次いだ。中には「追加利上げ見送りには高いハードルがある」(アトランタ連銀のロックハート総裁)とする発言もあった。大統領選直後の「トランプ・ショック」から一転、金融市場が強気相場となったことも影響しているとみられる。(共同)