Friday, December 02, 2016 11:16 AM

ハイチのコレラ感染で謝罪 国連、法的責任は認めず

 国連の潘基文事務総長は1日、2010年に大地震に見舞われたハイチで発生したコレラ集団感染に関する国連総会の非公式会合で演説し、国連の対応が不十分だったとして「ハイチの国民に謝罪する」と述べた。感染源と疑われている国連平和維持活動(PKO)部隊の法的な責任については認めなかった。

 コレラ集団感染はPKO要員の性的暴行問題と並ぶ国連の最大の不祥事とされ、潘氏は今月末の任期満了を前にけじめをつける狙いがあったとみられる。ただ、肝心の感染源については触れておらず、うやむやなまま幕引きを図った形だ。

 国連によると、ハイチでは80万人近くがコレラを発症し、9000人以上が死亡した。遺族はPKO部隊が不適切な下水処理によりコレラ菌に汚染された水を川に流したのが原因として国連を相手取り、ニューヨーク連邦地裁に損害賠償訴訟を起こしたが、地裁は国連が免責されるとの決定を下していた。(共同)