Monday, December 05, 2016 10:37 AM

イタリア首相が辞意 改憲巡る国民投票否決

 イタリアで4日、上院の権限縮小を柱とする憲法改正の是非を問う国民投票が実施され、即日開票の結果、反対が59.11%となり賛成(40.89%)を大きく上回った。国民投票を提案したレンツィ首相は5日、敗北を認め、辞意を表明。今後政局が混迷し金融不安が深刻化すれば、欧州や世界の経済に混乱が広がる可能性がある。危機続きの欧州に新たな不安が広がった。

 既存政治を批判する新興の政治組織「五つ星運動」など主要野党は「首相の権限強化につながる」として反対運動を展開。英国の欧州連合(EU)離脱や米大統領選のトランプ氏勝利で世界的にポピュリズム(大衆迎合政治)の勢いが増す中、イタリアでも同様の傾向が示された。

 レンツィ氏は5日未明の記者会見で「敗北の責任は私にある」と表明し、5日午後にマッタレッラ大統領に辞意を伝達。大統領は各党首らと協議した上で新首相を指名し、組閣を要請する。(共同)