Wednesday, December 07, 2016 11:02 AM

巨額減税、奇策いとわず ドル高が景気に冷や水も

 大統領選から8日で1カ月が経過し、トランプ次期政権の経済政策が浮かび上がってきた。巨額減税を優先し、雇用維持には奇策もいとわない方針だ。ただ減税による財政悪化がドル高を加速させ、景気に冷や水を浴びせる恐れもある。

 「海外に移転すれば重い税金が課されるだろう」。トランプ次期大統領が1日に企業への報復措置を予告すると、聴衆から大歓声がわき起こった。演説会場は工場閉鎖が後を絶たない「ラストベルト(さびた工業地帯)」のインディアナ州。雇用にはとりわけ敏感な地域だ。

 トランプ氏は6日、ソフトバンクグループの孫正義社長と会談し、米国で5万人の雇用を創出する約束を取り付けた。4日にはツイッターで、企業が海外に移転した工場から逆輸入した製品に「35%を課税する」と表明。強硬姿勢の背景には、メキシコに工場を移そうとしていたインディアナ州の空調設備会社キヤリアを選挙中に繰り返し批判し、計画撤回に追い込んだ実績がある。(共同)