Thursday, December 08, 2016 10:12 AM

自衛隊機差し止め認めず 最高裁「高度の公益性」

 米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川)の周辺住民が、国を相手に夜間・早朝の飛行差し止めと損害賠償を求めた第4次厚木基地騒音訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は8日、「自衛隊機の運航には高度の公共性と公益性がある」として、午後10時〜翌午前6時の飛行差し止めを命じた二審判決を破棄し、住民側の逆転敗訴を言い渡した。

 被害賠償も過去分の約82億円だけとし、二審が支払いを命じた将来分は認めなかった。裁判官5人全員一致の結論。

 今回、住民側は行政機関の権限行使の是非を問う行政訴訟による飛行差し止めを初めて求めた。これまでの民事訴訟に比べ認められる余地があるとみられたが、最高裁が示したハードルは高く、今後の基地騒音訴訟で差し止めが命じられる可能性は極めて低くなった。(共同)