Monday, December 12, 2016 10:31 AM

自動運転技術の百貨店目指す〜大手サプライヤー各社

 ZF-TRW(ミシガン州)など自動車部品大手は、自動運転技術の「ワンストップ・ショップ」となることを目指している。

 オートモーティブ・ニューズによると、これらのサプライヤーは顧客に自動車運転技術の「すべてのメニューを提示したい」(ZF-TRWのアンディ・ワイデル電子製品販売計画責任者)と考えている。ワイデル氏は「部品を個々に買いたい客もいれば、システム全体を欲しがる客もいる」と話した。

 ZFのアクティブおよびパッシブ・セーフティシステム開発・製造部門であるZF-TRWは、2018年から仏PSAプジョーシトロエンに自動運転車用のカメラ、レーダーおよびソフトウェアを供給する。

 先進運転支援システム(ADAS)の開発に取り組む国際的なサプライヤーは、自動運転技術開発では優位な立場にある。フォルクスワーゲンやトヨタ、GMは自動運転技術を開発して自社の車に統合することも可能だが、中堅や新興のメーカーには無理で、サプライヤーへの依存は避けられない。これに対応してサプライヤー大手は自動運転技術のすべてに対応できるよう、ワンストップ・ショップ化を進めている。

 サプライヤーもすべての技術を独自で開発する訳ではなく、同業、あるいは自動車分野以外のサプライヤーと提携することになる。ZF-TRWの場合、カメラとレーダー、ソフト制御の加速機能などは自前だが、障害物認識ソフトはイスラエルのモービルアイ(Mobileye)に開発を委託した。大手サプライヤー同士は戦略的提携も進めており、ZFは今年、物体の形状や距離をレーザー光線で測定するライダー(Lidar)技術に強みを持つ独イベオ・オートモーティブ・システムズ(Ibeo Automotive Systems)の株式40%を取得している。