Tuesday, December 13, 2016 9:58 AM

政権軍アレッポ制圧へ 反体制派の敗勢決定的に

 シリアのアサド政権軍は13日、激戦地アレッポの完全制圧に向け攻勢を続けた。制圧すれば長期化した内戦で最大の戦果で、「独裁打倒」を掲げる反体制派の敗勢が決定的になる。内戦の混乱で台頭した過激派組織「イスラム国」(IS)を壊滅させるため、米国はアサド大統領の退陣要求を取り下げて協力関係を築くなど、戦略修正を迫られそうだ。

 シリア人権監視団(英国)によると、反体制派が支配してきたアレッポ市東部地区の98%以上が政権軍などに制圧され、残るのは数地区のみという。国連児童基金(ユニセフ)は13日、東部地区の建物に100人以上の子どもが取り残され、激しい攻撃にさらされているとの情報があるとして各当事者に戦闘停止を呼び掛ける声明を出した。

 アレッポはシリア最大の都市で戦略的要衝。2012年に反体制派が一部地域を掌握して以降、政権軍と市内を二分する状態が続き内戦を象徴する戦場となっていた。アサド大統領は最近のインタビューで、アレッポで勝利すれば全土で勝利できるとの認識を示していた。(共同)