Wednesday, December 14, 2016 4:43 PM

金融政策のかじ取り困難に トランプ政権発足で

 米連邦準備制度理事会(FRB)がついに追加利上げに踏み切った。年内実施の方針を繰り返してきたイエレン議長は、辛うじて金融市場の信認をつなぎとめた形だが、2017年1月には景気を揺さぶりかねないトランプ政権が発足する。金融政策のかじ取りは一段と難しくなる。

 追加利上げは困難を極めた。今年前半の景気停滞と雇用失速、英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴う市場の混乱などで、FRBは何度も利上げ方針の修正を迫られた。金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)での意見の相違も表面化し、一時は「年内は利上げできない」との観測も市場で浮上した。

 しかし、年後半から景気が持ち直し、雇用も堅調さを取り戻したことがイエレン氏を救った。今回のFOMCで利上げできなければ、FRBへの信頼が失われ、市場が混乱する恐れがあった。(共同)