Thursday, December 15, 2016 10:44 AM

中国、南沙に大型防空設備 「正当で合法」配備認める

 米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)は、最近の衛星写真に基づき、中国が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島に造成した七つの人工島全てに、初めて大型の防空設備を配備したとみられるとの報告書を13日付で公表した。接近する航空機や巡航ミサイルを撃墜する能力があるとされ、南シナ海での武力衝突を想定した動きと分析した。

 中国国防省は15日、「主に自衛のために必要な軍事施設で、正当で合法だ」と事実関係を認める談話を発表。さらに米軍を念頭に「武力で威嚇してきている」と主張し、軍事施設建設を正当化した。

 中国は南沙諸島に滑走路やレーダー施設を相次いで建設しており、軍事拠点化をさらに進めていることが鮮明になった。東シナ海に続き南シナ海での防空識別圏設定に向けた布石の可能性がある。米側に抑止のための打開策は見当たらず、トランプ次期政権でも試練が続きそうだ。(共同)