Thursday, December 15, 2016 10:49 AM

北方領「特別な制度」協議 日露首脳、共同経済活動で

 安倍晋三首相は15日夜、ロシアのプーチン大統領と首相の地元・山口県長門市の温泉旅館「大谷山荘」で会談した。通訳だけを交えた会談では、北方領土を含む平和条約締結交渉の問題を中心に議論。首相は会談後、記者団に「元島民の自由訪問、北方四島での特別な制度の下における共同経済活動の問題について非常に突っ込んだ議論ができた」と述べた。領土の帰属問題を巡る主張に隔たりが大きい中、事態打開の道筋を付けられるかが焦点だが、首相は具体的な成果を明かさなかった。

 共同経済活動に関し、ロシアのウシャコフ大統領補佐官は、両首脳は協議開始で合意し、16日に声明を出す予定だと明らかにした。両首脳が漁業や観光、医療、環境などの分野で活動具体化を準備するよう指示するとしている。自国の法律に従って行うとも主張した。

 通訳だけの会談で両首脳は、北方四島振興のための日露両国による共同経済活動の実施に向けた協議開始や、査証(ビザ)なしで北方領土に渡航できる「ビザなし交流」の枠組み拡大などについて議論。会談時間は1時間35分に及んだ。(共同)