Wednesday, December 21, 2016 10:31 AM

イスラム国の犯罪調査を 国連安保理に元奴隷女性

 過激派組織「イスラム国」(IS)に拉致され、性的な奴隷として拘束されていた女性ナディア・ムラドさん(23)は20日、国連安全保障理事会に対し、ISによる犯罪行為を調査する独立機関を設置するよう求めた。

 イラクのクルド民族少数派ヤジド教徒のムラドさんは、紛争下での人身売買に関する安保理の公開会合に出席し、ISに拉致されていた間に1日に何度も強姦された自身の体験を語り、現在もISがヤジド教徒3千人以上を拘束し、迫害を続けていると指摘した。

 ムラドさんは厳しい表情で「世界中の人身売買の被害者にとって処罰が重要だ。私が出会った多くの生存者たちは(犯人が処罰されず)見捨てられていると感じている」と述べ、国際社会に迅速な対応を求めた。

 ムラドさんは人身売買の被害者の尊厳を訴える国連親善大使を務めている。安保理は同会合で紛争下での人身売買を非難する決議案を全会一致で採択した。(共同)