Thursday, December 22, 2016 10:22 AM

自衛隊と米軍の一体化加速 米艦防護運用開始

 自衛隊が平時から米国などの艦艇を守る「武器等防護」の運用指針は日米両政府の緊密な調整を経て22日決定された。稲田朋美防衛相は記者会見で、安全保障関連法に基づく米艦防護の運用開始について「今まで隣で活動中の同盟国が攻撃されても守れなかった」と意義を強調したが、自衛隊と米軍の運用の一体化が加速することへ懸念の声も出そうだ。

 今回の米艦防護任務は、平時の警護や武力行使に至らないグレーゾーン事態での対応を想定している。稲田氏は具体例として、米艦が(1)北朝鮮の弾道ミサイルへの警戒監視中(2)自衛隊と共同訓練中-に武装集団による妨害行為を受けた場合などを挙げた。

 政府はほかに、放置すれば日本への直接の武力攻撃に至る恐れがある「重要影響事態」への対応として米軍が輸送や補給活動を行う際の自衛隊による警護も想定している。防衛省関係者は、安保法で可能となった他の海外任務と比較しても「米軍からの要請が多いと予想される」と分析する。(共同)