Thursday, December 22, 2016 4:43 PM

親身に考えてくれて感謝 退位問題、国民に

 天皇陛下は23日、83歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち皇居・宮殿で記者会見し、退位の実現に強い思いを示した8月のビデオメッセージの公表やその後の国民の受け止めについて「多くの人々が耳を傾け、おのおのの立場で親身に考えてくれていることに深く感謝しています」と語った。退位を巡る法整備に絡んだ具体的な発言はなかった。

 陛下がメッセージ公表後、退位問題を巡り、公の場で心境に触れたのは初めて。「天皇としての自らの歩みを振り返り、この先の在り方、務めについて、ここ数年考えてきたこと」だったと回顧。「(メッセージは)内閣とも相談しながら表明しました」と、宮内庁を通じ官邸と連携していることを強調した。

 メッセージ公表後、政府は「発言されたことを重く受け止めた」(安倍晋三首相)として、退位問題を巡る有識者会議を設置。これまでに専門家からヒアリングを実施するなどして法整備の議論を進めている。対象を陛下一代に限る特別法を軸に検討し、来年の通常国会での成立を目指すとみられる。(共同)