Thursday, October 25, 2018 6:51 AM
BASF、フィンランドにEV電池材料の新工場開設へ
ドイツの化学大手BASFは、ロシアの非鉄金属生産企業ノリリスク・ニッケル(ノルニッケル)と提携し、ノルニッケルがフィンランド・ハルヤヴァルタに所有するニッケル・コバルト精錬所の隣に同社初のバッテリー材料生産拠点を建設する。
同社のプレスリリースによると、2020年から生産を開始し、年間約30万台の電気自動車(EV)に対応する予定。17年に発表した4億ユーロを投じる多段階投資計画の一部。BASFはノルニッケルからニッケルとコバルト原料を供給する市場ベースの長期契約を交わし、欧州におけるバッテリー用原材料の現地供給を確保した。
BASFの新工場は欧州のEV用電池生産で大きな役割を果たすと見られている。BASFは、欧州の別の場所でもバッテリー素材生産拠点の建設地を物色している。ノルニッケルはニッケルとパラジウム生産の世界最大手で、プラチナ、コバルト、銅、ロジウムの主要生産者でもある。
欧州はバッテリーセル(基幹部品)の開発・生産でアジアや北米に出遅れており、欧州委員会(EC)は、大規模なEVの開発と導入を支えるため欧州で強力なバッテリー原材料供給チェーンを構築するよう産業界に呼びかけている。17年10月には「ヨーロピアン・バッテリー・アライアンス」を立ち上げ、革新的で持続可能なバッテリー製造プロジェクトの構築を支援するため、原材料へのアクセス確保や重要な原材料への依存緩和など、多くの政策に着手する「バッテリー・アクション・プラン」を打ち出した。
バッテリーの現地生産は、EVのコストを低下させて普及を促すと考えられている。
【https://www.basf.com/jp/ja/company/news-and-media/news-releases/global/2018/10/p-18-336.html】