Friday, February 22, 2019 9:06 AM
イスラエル社、安全のための乗員監視システム開発
イスラエルの自動車安全技術開発企業アイサイト・テクノロジーズ(Eyesight Technologies)は、車の安全性と乗り心地を向上させるため、顔認証システムを使って乗員を識別するシステム「CabinSense(キャビンセンス)」を開発した。
同社のプレスリリースによると、新システムはコンピュータービジョンで車内を監視し、乗員とその年齢、性別、位置を認識する。同社の技術によって、自動車メーカーは特定の個人やグループの好みに合わせて、車内の温度、座り心地、音量、メディア設定を自動調整する機能を消費者に提供できる。
CabinSenseには高度な乗員保護の機能もあり、シートベルトを正しく装着しているか、安全に座っているかを確認し、その情報を基にベルト調整をしたり、チャイルドシートが使われていることを検知した場合はエアバッグの作動停止をドライバーや乗員に警告したりする。また、乗員の体格や位置に合わせてエアバッグの飛び出し方をその場で調整することもできる。
アイサイトのギデオン・シミュエルCEOは「車は、乗員を保護しながらさまざまな方法でニーズに応えられる極めて強力なコンピュータ環境になりつつある。ただし車が知的にそれを行うためには、誰がどんな状況で乗っているかを理解する必要がある。CabinSenseは車内を究極のスマート環境に変えるのを助け、運転体験をドライバーや乗客にとってさらに安全で楽しくする」と説明する。
アイサイトは、安全性と運転の快適性を高めるソリューションを提供するため、コンピュータービジョン、深層学習、人工知能(AI)の分野で独自の技術を使っている。最新ソリューションのCabinSenseは、ドライバーモニタリングシステム「Driver Sense」や、非接触のジェスチャー制御でインフォテインメントを使いやすくする「Driver Control」など既存のソリューションをさらに広げている。
自動運転機能が拡大するのに伴い、自動車メーカーの重点は運転体験から乗車体験へと移ると予想されている。CabinSenseは、乗員の数、誰が乗っているか、その姿勢の分析、モノの検出などを含めた車内の状況を車のシステムに伝えることができ、自動車メーカーはそれらの情報を活用して、より個別化されたユーザー体験を提供できるようになる。