Tuesday, March 26, 2019 9:55 AM
ミュンヘン再保険、電池性能の保険を開発
ドイツのミュンヘン再保険は、電池メーカーが顧客に保証した性能を対象とする保険を世界で初めて開発した。電池メーカーと電池を利用する企業が事業やプロジェクトを展開しやすくなり、再生可能エネルギーの利用拡大につながると期待される。
グリーンカー・コングレスによると、新しい保険によって、電池メーカーは品質保証に保険をかけられるようになる。例えばバッテリーモジュールの欠陥や弱点による修理、交換コストがメーカーの予想を超えた場合、残りの金額が保険でカバーされ、メーカーは収支に負担が生じなくて済む。
保険によってあらゆる品質保証の最大費用に上限が設けられるため、企業はプロジェクトの融資も受けやすくなる。これは投資家にとっては大きな利点になり、電池メーカーにとっては増産が格段に容易になるため、再生エネルギーの利用拡大の可能性が広がる。
さらに、特定の投資プロジェクトを保護するために補償を応用することも可能だ。これにより、保証を実施したメーカーが保証期間中に破産申請を行った場合でも、保険は支払われる。
この保険は主に、電力網の安定運営や電力需要のピーク時といった大規模プロジェクトを対象にする。ミュンヘン再保険は次の段階として、EV用電池といったモビリティ市場が対象の保険を開発する計画だ。
今回の新商品を最初に利用するのは、太陽光発電の電力を長期間蓄える据え置き型電池モジュールを製造するESS(オレゴン州)。同社のレドックスフロー電池は現在、ミュンヘン再保険の性能補償付きで販売されている。