Thursday, April 04, 2019 9:57 AM
アプティブ、大量のAVデータを公開
自動車部品大手デルファイ・オートモーティブからスピンオフした車載エレクトロニクス大手アプティブ(Aptiv)は、これまでに収集した自動運転車(AV)のデータセットをオープンソース化し、「nuScenes(ニューシーンズ)」の製品名で一般公開した。
同社のプレスリリースによると、これらのデータは同社が2年半以上前からシンガポールとボストンで展開しているAVの公道試験中に収録したもので、一般に公開されるデータセットでは過去最大規模。140万枚の画像や39万件のライダー測定データのほか、レーダー、加速度計、衛星利用測位システム(GPS)などの情報が含まれ、1000シーンに仕分けされている。
「nuScenes」は、完全自動運転車のセンサースイートが含まれた最初のデータセットで、6台のカメラ、5台のレーダー、1台のライダーで360度の視野を提供している。
アプティブ・オートノマス・モビリティ部門のカール・イアネマ社長は「特に安全性に関しては、情報の共有が業界全体を進化させると考えている。当社のチームは自動運転車全体がより安全でスマートなシステムを実現できるよう、一般公開するデータの構成要素について慎重に検討した」と話している。
こうした大量の包括的なデータセットを一般公開するのはアプティブが初めてで、これで研究用のオープンソース情報が不足しているAV業界の課題を解消できると考えている。オープンソースは必要に応じてソフト開発者が無償で使えるため、このデータセットは自動運転車の安全性向上に役立つと見込まれる。
アプティブによると、自動運転車技術の開発には、強力な物体の検出および追跡機能が不可欠で、精度の高いデータセットには一定の需要がある。