Wednesday, June 05, 2019 9:43 AM
豊田合成、縦型GaNパワー半導体で大電流化を実現
豊田合成は、青色LED(発光ダイオード)の材料である窒化ガリウム(GaN)の結晶化技術を用いて開発中の縦型GaNパワー半導体で、1チップの電流容量を100アンペア(A)まで高めることに成功した。
新製品は、電流容量を従来の50Aから世界最高水準の100Aへと倍増させる。豊田合成はこれを5月に上海で開かれたパワー半導体国際会議(ISPSD)で発表した。
パワー半導体は、オン・オフの切り替えなどによって電圧や電流、周波数などを変換する電子部品で、車や家電、産業機器など幅広い分野で使われている。
電動車や再生可能エネルギー発電の普及で高性能なパワー半導体の需要が高まっているが、シリコンを使った従来の製品では大電力の効率的な変換に課題がある。半世紀以上の改良を経て、シリコン製品では高耐圧と低抵抗の両立が極限に近づき、大電力動作時の「導通損失」や高周波動作時の「スイッチング損失」の大幅な低減が望めないためだ。
そこで豊田合成は、耐圧性に優れた材料GaNと、電流をGaN基盤に対して垂直に流す縦型チップ構造を組み合わせて、より薄く小型の製品設計や性能の改善を実現した。
https://www.toyoda-gosei.co.jp/upload/news/787/61fb8face9e405c74af50e0b1c13b2f8.pdf