Monday, June 17, 2019 9:54 AM

フォード、医療搬送サービスを全米展開へ

 フォードは、医療搬送サービス「ゴーライド(GoRide)」を今後4年以内に全米40都市に広げる計画を明らかにした。19年内にオハイオとフロリダ両州内で新規に開始し、20年に他の主要州に拡大する。

 ロイター通信によると、フォードは自動車とトラックの製造販売という伝統的分野以外で成長の可能性を探っている。ゴーライド事業の狙いは、配車サービスの分野でウーバーをはじめとするスタートアップに対抗することにある。

 ゴーライドでは、フォードの貨物用バン「トランジット」と乗用バン「トランジット・コネクト」を使い、救急車を呼ぶほど緊急ではないが、医療処置を必要とする人々に移動手段を提供している。用している。18年にはミシガン州南東部のボーモント・ホスピタル・システムと、医療搬送サービスの供給契約を交わした。その後オハイオ州トレドにも進出し、同種のサービスを提供している。

 19年の年末までには、オハイオのデイトン、シンシナティ、クリーブランド、コロンバス各市にサービスを拡大する。デイトンでは、市営の輸送システムと協力する。20年にはノースカロライナ、ルイジアナ、テキサス、カリフォルニアでも開始する予定だという。

 ゴーライドの競争相手は、各地域の小規模な輸送サービス会社やウーバー、リフトが提供する配車サービスになる。現在までのゴーライドの資金は、モビリティ事業の一環としてフォードが拠出しているが、フォードが19年1〜3月期にモビリティ事業で出した損失は2億8800万ドルに上るという。ゴーライドとしては、予約した診察や治療に向かう患者にサービスの利用機会を与える病院や保険会社と契約することで収入を得たい考えだ。