Friday, August 23, 2019 10:03 AM
帝人米子会社の防音防振材、フォードの新型SUVに採用
フォードが北米で発売した2020年型「フォード・エクスプローラー」「リンカーン・アビエイター」SUVのエンジン室の構造材に、帝人の子会社コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP、本社ミシガン州)が製造する防音防振用の部材「GF-SMC」が使われている。
プラスティック・ニューズによると、GF-SMCは、熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させ、シート状にした成形材料。名称はGlass Fiber-Sheet Molding Compoundの略。
フォードとCSPは、自動車の快適性の評価項目であるNVH(騒音・振動・ハーシュネス)の改善を目的に、GF-SMC部材を使って世界初の二重壁構造のコンポジット製エンジンシュラウド(エンジン室内の部品を保護する構造材)「デュアル・ウォール・ダッシュボード」を共同開発した。
デュアル・ウォール・ダッシュボードは、エンジン後部からエンジン室両側にあるストラットタワーまでを覆い、エンジン室とフロントバルクヘッドの間に密閉性の高い空間を作る。これでエンジン室内で発生する騒音を消散させ、NVHを大幅に改善する。
デュアル・ウォール・ダッシュボードはこうした機能と、従来のスチール素材では成形が難しい薄くて複雑な形状をわずか4個のGF-SMC部材で実現し、エンジン室内の限られた空間への収納を可能にしている。12ポンドと軽量で、エンジン室内の電気部材の熱防護機能も果たす。
デュアル・ウォール・ダッシュボードはCSPのオハイオ州コノートの工場で生産されている。