Tuesday, May 19, 2020 10:09 AM
エヌビディア、戦略転換〜ロボタクシーから運転支援重視に
画像処理半導体大手のエヌビディア(NVIDA、カリフォルニア州)は、これまでのロボタクシー(自動運転タクシー)路線から方向転換して、自動車線維持や適応走行制御といった運転支援機能を支える技術市場に参入すると発表した。
ロイター通信によると、同社はこれまで、より高度なコンピューターを必要とする自動運転車(AV)の実現に向けた主要技術を供給していた。しかし、ロボタクシーのような乗り物の大規模導入はまだ何年も先になる見通しで、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォードなどの自動車メーカーは新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に打撃を与える前からAVへの期待度を引き下げていた。
一方、エヌビディアの新しいシステムによって可能になる運転支援機能の多くは、競合するインテル傘下のモービルアイ(Mobileye)などの技術によってすでに高級車で使われている。
エヌビディア のダニー・シャピロ・シニアディレクターによると、今回の戦略転換は、現在提供している運転支援機能と将来のためのより高度な自動運転技術という2つのシステムの維持に苦労しているメーカーのニーズを満たすことが目的。自動車メーカーは、エヌビディアの新システムによって1つで両方に対応でき、エンジニアリングの労力が節約され、一部の自動運転技術を使って運転支援機能を改善できるようになるという。
同社の新しい自動運転技術には、2019年12月に発表した次世代SoC「Orin(オリン)」が使われている。シャピロ氏は、23年初頭にはこのシステムを搭載した車の生産が可能になるとみている。
同社のチップは、コンチネンタル、ZF、ロバート・ボッシュといった従来の自動車サプライヤーが作るカメラを含めた大きなシステムの一部となる可能性が高い。
https://www.reuters.com/article/us-nvidia-tech-autonomous/nvidia-turns-to-driver-assistance-market-as-robo-taxis-stall-idUSKBN22Q25E