Tuesday, July 28, 2020 10:06 AM
三菱電機、自然な言葉でドライバーとの意思疎通を実現
三菱電機は、車載機器が周囲の状況を理解し、自然な言葉で人と円滑に対話できる「シーン・アウェア・インタラクション技術」を開発した。
この技術には同社のコンパクトAI(人工知能)技術「Maisart(マイサート)」が使われている。画像やビデオ、オーディオ情報、ライダー(光検知・測距装置)で取得した位置情報などのマルチモーダルセンシング情報を分析し、車の周囲で起きている状況を理解した上で、状況の履歴を考慮した自然な言語を生成することで人と機器との円滑な意思疎通を実現する。
カーナビで進行方向を案内する場合、「50メートル先で右折」という代わりに「郵便受けの手前で右折」(シーン認識)といった自然な表現を用いることができる。また、何かが車の進路を横切る状況を予測すると、「歩行者が通りを横断している」といった音声警告を生成する。これは、システムが状況を分析してそこに識別可能な視覚的ランドマーク(目印になりそうな特徴物)を認識し、そうした物や出来事を使って分かりやすい案内を生成できる時に機能するという。
実験では、アテンショナル・マルチモーダル・フュージョン技術のオーディオおよび視覚情報を使用して、従来の視覚情報だけを使う場合よりも高いCIDEr評価を獲得した。CIDErは、機器が理解した内容が人間が理解した内容とどれだけ似ているかを示す評価尺度。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2020/0722.html