Wednesday, August 05, 2020 10:13 AM
日本ガイシ、高耐熱性のコイン型2次電池開発
日本ガイシは、高耐熱タイプのコイン型リチウムイオン2次電池「エナセラ・コイン(EnerCera Coin)」を開発した。
同電池は最高105℃の温度で動作し、車載や産業用などの領域で使用されるIoT(モノのインターネット)機器向けの小型電源として採用が見込まれている。現在サンプル出荷を進めており、2020年9月には量産を開始する予定。
エレクトロニクス事業本部ADC事業部長の大和田巌執行役員は「高耐熱製品の開発は、自動車、産業、ロジスティクス、スマートカード業界のさまざまなパートナーからのフィードバックで実現した」と話している。
「エナセラ・コイン」はIoT機器用電池「エナセラ」シリーズの1つ。同社は19年12月、世界で初めて零下40℃〜プラス85℃の動作温度範囲を実現した高耐熱タイプのリチウムイオン電池を開発。顧客の要望を受けて商品に改良を加えた結果、動作温度の上限を20℃上げることに成功した。電池が最も劣化しやすい満充電状態において、105℃で1000時間経過した後も容量の低下率は20%未満だという。
「エナセラ・コイン」は、電極とセパレーター(絶縁材)を備えたセラミック製の積層電池部材に少量の電解液を浸み込ませた独自構造の半固体電池で、熱安定性が高いと同時に、従来のリチウムイオン電池と同等以上の電池性能を持ち、全固体電池と比べても最高水準の耐熱性能を持つことが実証されている。
https://www.ngk.co.jp/news/asset/20200715_1.pdf