Thursday, August 06, 2020 9:54 AM
BMW、「X5」の燃料電池車バージョン生産へ
BMWは、中型SUV「X5」の水素燃料電池バージョン「iハイドロジェン・ネクスト(i Hydrogen NEXT)」を市場投入する。1種類の技術が支配的になるまではできるだけ多様な動力源の製品を生産する方針だ。
ブルームバーグ通信によると、BMWは2022年に「iハイドロジェン・ネクスト」の限定生産を開始する。搭載する燃料電池はトヨタが供給する。オリバー・ツィプセCEOは、「BMWの製品ラインアップの新しい柱になる可能性がある」と述べた。
燃料電池は、ガソリン同様の素早い燃料補給と長距離走行を可能にし、電気自動車(EV)に今もつきまとう問題の多くがなくなることから、長期間通用する新世代の推進方式と考えられてきた。しかし、開発コストが高いうえ、新型コロナウイルスへの対応で手元資金の流出を抑える必要に迫られて、いくつかの自動車メーカーは燃料電池車の開発を断念している。ダイムラーは4月、SUV「GLC」の水素燃料バージョン開発を中止し、燃料電池車はボルボ・グループと共同開発するトラックとバンに絞り込む方針を発表した。
一方、ドイツ政府は6月、水素関連技術の開発支援に81億ドルを投入する計画を発表している。
19年にCEOに就任するまではBMWの生産部門責任者だったツィプセ氏は、1車種ごとに多様なバリエーションを開発する戦略を推進している。BMWは現在、単一ラインで電動モデルと内燃機関モデルの両方を生産している。