Friday, August 21, 2020 10:28 AM
EVで電力供給の支援可能か〜加州電力大手が検証へ
電気自動車(EV)の登録台数が全米最多のカリフォルニア州で、地域の電力会社がEVを電力系統(グリッド)の一部として活用しようとしている。
グリーンカー・リポーツによると、同州の電力大手サザンカリフォルニア・エジソン(SCE)は、EVをグリッドと統合し、車載電池を充電と放電のどちらにも使える技術(V2G)の実証実験を行う計画だ。
SCEによると、州内では現在70万台のEVが走っており、同社の営業区域内では20万台を超える。容量100キロワット時(kWh)の電池パック(テスラの「モデルS」「モデルX」で使われているサイズ)を搭載したEVは、加州の平均的な世帯1軒に約1週間電力を供給できる。
EVの台数は今後大きく増えると見込まれている。カリフォルニアが2045年までに「カーボン・ニュートラル(二酸化炭素排出量が実質ゼロ)」を達成するためには、州内を走る車の75%がEVになる必要がある(SCE)。
SCEの実証実験は、EVをグリッドにつないで車の電池から電力を供給することで、電力利用者の料金を下げられるかどうかを確認するのが目的。実験では、車とグリッドの接続に必要な機器の標準化についても検討する。
車は、乗用車とバスの両方が使われ、乗用車の充電は各所有者の職場とSCE研究所の両方で行う予定。SCEはまだ使用する車のメーカーや車種を決めていないが、ライトデューティー車のメーカー2社、バスのメーカー1社、スクールバスのメーカー1社と協議している。
17年には州内の別の電力大手PG&Eが、V2G研究でBMWと提携した。その結果、EVが電力需要ピーク時の支援に役立つことが分かっている。