Wednesday, September 09, 2020 9:57 AM
30年にはリチウム需要の8割がEV用に
今後10年間でリチウム需要の大部分が電気自動車(EV)関連になるとの見通しを、チリ政府機関のチリ銅委員会(Cochilco、コチルコ)が発表した。30年までにリチウム消費の79%をEV関連が占めるようになり、19年の約33%から大きく増加えるという。
ロイター通信によると、EV用のリチウム需要は、20年は新型コロナウイルス問題の影響で約7万5000トンにとどまるが、30年までには140万トンへと激増する見通し。一方、携帯電話やその他の消費財に関連したリチウム需要は、20年の推定24万2000トンから30年には37万7000トンに達する。
リチウム価格は近年、世界的な貿易緊張の悪化、中国における電気自動車補助金の縮小、および新しい生産の増加を受けて着実に下落している。20年はコロナ禍とそれに伴う経済の低迷で需要が低下し、一部の鉱山業者は短期投資を先延ばしにしているが、25〜26年までには需要が供給を上回って価格も安定すると見込まれる。
生産量では、オーストラリアとチリが引き続き先行するものの、激しく追い上げる米国やアルゼンチンに差を詰められそうだ。オーストラリアの世界シェアは、現在の48%から30年には31%に、チリは29%から17%に縮小すると予想される。
https://www.reuters.com/article/us-chile-lithium/electric-cars-to-account-for-79-of-lithium-demand-by-2030-chile-idUSKBN25M2PG