Tuesday, December 01, 2020 9:15 AM
欧州のEVバッテリー自給、25年までに実現か
欧州連合(EU)は2025年までに、急増する電気自動車(EV)に供給できるだけのバッテリーを域内で生産できるようになるかもしれない。
ロイター通信によると、欧州委員会(EC)のマロシュ・シェフチョビッチ副委員長は24日、オンラインで行われたバッテリーに関する欧州会議で「25年までに欧州の自動車産業のニーズを満たし、さらには輸出能力を構築するのに十分なバッテリーセルを生産できると確信している」と述べた。
EUは50年までに「クライメイト・ニュートラル」になる計画の一環として、低炭素鋼を製造するための水素燃料や環境対応車の電源となるバッテリーなど、グリーン産業構成要素の現地生産を促進している。
現在、リチウムイオン電池の世界生産量の約80%を中国が占めているが、欧州は生産力を急拡大しており、スウェーデンのバッテリー会社ノースボルトがスウェーデンとドイツに工場を建設しているほか、中国の寧徳時代(CATL)はドイツに、韓国のSKイノベーションはハンガリーに2つ目の工場を作るなど、欧州で15の大規模な電池セル工場の建設が進んでいる。
シェフチョビッチ氏によると、計画中の欧州施設は、25年までに600万台を超えるEVに電力を供給するのに十分なセルを生産できるという。
ベルギー拠点の環境非政府組織(NGO)トランスポート&エンバイロンメントによると、新型コロナウイルスの流行で世界の自動車販売は急落したが、20年の欧州におけるEVとプラグイン・ハイブリッド車(PHV)の合計販売台数はほぼ倍増の100万台と予想されている。
ECは、25年までに欧州で1300万台の低公害車が走ると予想しているため、今以上の投資が必要になる。ノースボルトのJesper Wigardt副社長(コミュニケーション担当)は「バッテリー工場を支えるには、欧州で供給網と労働市場の構築に多額の投資を行う必要がある」と話している。
https://www.reuters.com/article/eu-battery/eu-says-it-could-be-self-sufficient-in-electric-vehicle-batteries-by-2025-idUSKBN2841Z3