Monday, May 10, 2021 10:08 AM
ステランティス、テスラの助けなしで排ガス削減目標達成へ
欧米自動車大手ステランティスのカルロス・タバレスCEOは、テスラとの二酸化炭素(CO2)排出権取引なしで、欧州2021年のCO2排出削減目標を達成できるとの見通しを示した。フランスの週刊誌ル・ポワンに語った。
ロイター通信によると、合併前のFCAは19-21年を契約期間に、欧州と米国でのCO2排出権をテスラから約20億ユーロ(24億ドル)で購入している。タバレス氏は仏誌に、「PSAがステランティスにもたらした電気関連技術によって、早ければ今年から(EUの)CO2排出規制に適合する。CO2排出権をテスラなどから融通する必要がなくなる」と述べた。
テスラは、排ガスのないEVモデルによってCO2排出量と燃費の基準を満たすことでクレジット(排出権を売る権利)を獲得し、基準を満たしていない他のメーカーに販売している。同社は排出権販売から数十億ドル単位の収入を得ており、21年1-3月期はクレジット収入が前年同期比46%増の5億1800万ドルに達した。これは同社の純利益4億3800万ドルを大きく上回っている。20年のクレジット収入は16億ドルだった。
欧州の規制では、すべての自動車メーカーは21年、自家用車のCO2排出量を走行距離1キロ当たり平均95グラムに抑えることが義務付けられている。
ステランティスは、CO2排出権取引契約を解除した場合の経済的影響についてテスラと協議していると述べた。