Tuesday, May 18, 2021 10:33 AM
リオ・ティント、3D印刷用の新しい鋼粉を開発
英豪資源大手リオ・ティントは、カナダ・ケベック州ソレルトレイシーにある冶金複合施設リオ・ティント・ファ・エ・チタン(RTFT)で、3Dプリント用鋼粉の開発と試験に成功した。
グリーンカー・コングレスによると、RTFTは顧客のニーズを満たすため、高度な特性を備えた各種の新しい3Dプリント用粉末を開発している。水アトマイズ法(高圧水による噴霧)向けの鋼粉は、従来の金属製造技術よりも優れた機械的特性を提供するため、3Dプリント技術の金属部品への応用促進につながる。
リオ・ティントのステファン・ルブラン・マネジングディレクター(鉄およびチタン担当)は「これは、鋼や鉄の粉末製造分野で50年以上の経験を持つRTFT冶金施設での3D印刷用に設計された新世代の鋼粉。新しい積層造形鋼粉末は、北米最大の高圧水噴霧器で製造されており、成長する3D市場に非常に競争力のある原材料を追加する」と話している。
ソレルトレイシーにあるリオティントのクリティカル・ミネラル・アンド・テクノロジー・センターは、3D印刷用の新しい粉末を開発、試験するため、ポンプとバルブの世界的大手メーカーで工業用積層造形のパイオニアであるドイツのKSBと提携した。
ソレルトレイシー施設ではすでに、溶鉄鋳造装置用の部品など本格的な工業用部品の製造および試験を行っている。
3D印刷技術は、リードタイムが短い、小規模生産やスペア部品生産の費用対効果が高い、設計の可能性が幅広い、廃棄物が少ない…などの利点を提供する。また、従来の製造やサプライチェーンから工程の一部を排除することで、二酸化炭素(CO2)排出量の削減にも貢献できる。
RTFTは、ケベック州アーヴル・サン・ペールに近いLac Tioで露天掘りのイルメナイト鉱山を運営しており、その鉱石はソレルトレイシーのRTFTで高品質の二酸化チタン原料、銑鉄、鉄鋼、金属の生産に使用されている。Lac Tio鉱山とRTFTの従業員は合わせて1600人以上。