Wednesday, July 14, 2021 9:42 AM

20年の米化石燃料消費、29年ぶり低水準

 連邦エネルギー情報局(EIA)はこのほど、2020年の米国の化石燃料(石油、天然ガス、石炭)消費量が前年比で9%減少し、1991年以来最低の72.9兆BTU(英熱量単位)だったと発表した。

 グリーンカー・コングレスによると、前年からの減少は、量も率もEIAが1949年に年次データの発表を始めて以来最大を記録した。減少の大部分は新型コロナウイルスのパンデミックを受けた経済的影響によるもので、特に輸送部門のエネルギー消費量は15%減少した。また20年は国内の気候が比較的温暖だったため、暖房用燃料の需要も減少した。

 化石燃料消費の44%は、ガソリン、留出燃料油(ディーゼル)、炭化水素ガス液(HGL)などの石油製品で、石油消費の約68%は輸送セクターが占め、石油製品の消費量は前年から13%減少した。

 天然ガスは化石燃料消費全体の43%と比率が過去最大になったが、消費量は前年から2%減少した。天然ガスの38%は電力業界が電気と熱の生成に使っており、住宅と商業分野で直接消費される化石燃料エネルギーの80%以上は天然ガスで、主に暖房に使われている。

 また、石炭は米国の化石燃料消費量の13%を占め、年間シェアは1949年以来最低となり、消費量も19%減と過去最大の落ち込みだった。石炭の約90%は電力業界が消費した。発電のための石炭使用量は過去10年間に着実に減少しているが、EIAは21年は増加を見込んでいる。

 一方、化石燃料は、建設資材や化学原料、潤滑剤、溶剤、ワックスなどの形で燃やさずに使うことができる。20年は化石燃料消費全体の約8%が燃料以外に使われ、このうち48%をHGLが占めた。