Monday, August 30, 2021 9:24 AM

GMと現代自のEV電池発火、複数のLG工場と関連

 GMと現代自動車が、運輸省道路交通安全局(NHTSA)に別々に提出した資料で、各社のEV最新モデルの電池発火問題について、LG化学子会社の複数の工場で作られた電池の製造上の欠陥と関連付けていることが分かった。

 ロイター通信によると、GMと現代自はそれぞれ、LG化学の子会社で電池製造の世界大手LGエナジー・ソリューションが供給したリチウムイオン電池と車両火災を関連付けている。電池は韓国と中国にあるLGの工場で生産された。

 LGは同様のEV向け電池を、フォードやVWなどいくつかの自動車メーカーに供給している。フォードとVWはLG製電池が絡む発火問題を公表していない。

 GMは、NHTSAに対し、同社のEV「シボレー・ボルト」の電池部分で起きた火災の根本原因として「同じ電池セル(電池の単体)で見つかった2つの珍しい製造上の欠陥」を、LGとGMの専門家が特定したと報告した。具体的には、負極部分のタブが裂け、セパレーター(絶縁材)が折れ曲がっていたことが原因であり、それらの欠陥があるセルは韓国中部の梧倉(オチャン)にあるLG工場で生産された。また、アリゾナ州チャンドラーで発生したボルトの10件目の火災の後、GMは梧倉以外のLG工場で生産されたセルにも製造上の欠陥を発見したという。

 GMは、ボルトのリコール台数を14万台以上に拡大し、発火の恐れがある電池パック(セルの集合体)を交換すると発表した。リコール費用は前回と合わせて推定18億ドルといい、LGに補償を求める考えを示した。

 現代自の報告によると、同社のEV「コナ」で起きた電池の火災はセル内部の短絡(ショート)が原因と特定された。その短絡は、負極のタブが折れ曲がっていたために起きたという。火災は韓国、欧州、カナダで15件以上発生している。

 LGは、EVバッテリー市場で、中国CATLに次ぐ2位に付けているが、相次ぐ事故で危機に陥っている。