Tuesday, August 31, 2021 10:15 AM
リソース、テスラと提携強化〜コバルト調達を透明化
グレンコア、CMOC、ユーラシア・リソース・グループ(ERG)、ジョンソン・マッセイなど、電気自動車(EV)用電池に関わる企業が重要な材料であるコバルトの存続可能な供給を目指して結成した団体リソース(Re | Source、本部)は、加盟社の1つであるテスラとコバルトの調達に関する提携を強化している。
リソースは、鉱山からEVまでコバルトの責任ある流通を監視するために作られた組織で、テスラはサプライチェーン(材料供給網)全体におけるパイロットプロジェクトの展開を進めている。
同団体によると、パイロット事業は上流部門のコンゴ民主共和国(DRC)におけるコバルト生産施設から下流のテスラのEV生産施設まで実際の運営環境で行われている。DRCと欧州ではすでに複数の現地パイロット事業が始まっており、2021年内にはアジアと米国でも始まる予定。
テスラが最近発表した「インパクト・リポート2020」によると、同社はコバルト供給網の透明性を高めるため、リスポンシブル・ミネラルズ・イニシアティブ(RMI)のコバルト報告様式を使って関連サプライヤーから詳細なデータを収集しており、倫理的な調達に関する危険信号やリスクを確認し、コバルトなどの鉱物が社会的および環境的基準を満たす鉱山から来ていると確信できる場合はDRCなどの地域からの調達も引き続き支援するという。
テスラは、製造業務の国際的な拡大に伴いサプライチェーンは一層複雑化すると見ているが、サプライヤーには高い水準の仕事のやり方を続けてもらい、バリューチェーンに新しい電池メーカーを加える際には、事前にコバルト供給網の完全な流れを開示し、過去12カ月間に外部の独立機関がメーカーのサプライチェーン内の精製施設を監査したことを示すよう義務付けるという。