Friday, September 03, 2021 10:21 AM

欧メーカー、電池供給網を移行へ

 欧州の自動車メーカーは、EV用電池のサプライチェーンを、中国から自社工場に近い場所への移行を考えている。

 ロイター通信によると、試作品の受託製造大手プロトラブズ(Protolabs)は、欧州の製造業200社を対象に調査した。各社とも過去1年間に供給網に生じた混乱で懸念を深めており、多くが本拠地に近いサプライヤーから供給を受けたいと答えた。80%が生産拠点により近い場所に電池の供給網を移したいと回答。さらに英企業では、今後12カ月以内に移動する計画だと回答した企業が84%に上った。

 日産も提携する中国の電池大手エンビジョンAESCとともに、北東イングランドのサンダーランドにある自社工場の近くでEV用電池を生産する事業に14億ドルを投資する計画を発表した。

 プロトラブズ・ヨーロッパのビヨルン・クラス氏は「欧州で生産されている電池は全体の6%にしか過ぎず、輸入に多くを頼っている。EV需要が加速度的に伸びていることを考えると、状況を変えなければいけないことは明らかだ」と述べた。

 中国は現在、EV用電池や関連部品の製造、EV生産で必要な鉱物の加工で市場をほぼ独占しており、大きく離れて日本が2位、韓国が3位となっている。