Tuesday, September 21, 2021 10:12 AM

ストアドット、10分で充電できる円筒型電池開発

 電気自動車(EV)向けの超高速充電(XFC)バッテリー技術で注目されているイスラエルの新興企業ストアドット(StoreDot)は、世界で初めてわずか10分で完全に充電できるXFCシリンダー(円筒)型電池を開発した。

 プレスリリースによると、XFC電池の試作品は、世界的に自動車メーカーの使用が増えている4680形式(直径46ミリ×長さ80ミリ)になっている。同社は3年以上にわたってこの形式のXFC電池開発に取り組んでおり、これで世界のEVメーカーはパウチ(小袋)型電池とシリンダー型電池の両方で、コストを増やさず充電時間を50%短縮する同社のXFC電池を導入できるようになるという。

 現在は中国を拠点とするEV電池メーカー、EVEエナジーがパウチ型とシリンダー型の両形式で大規模生産の工程開発を進めており、24年には量産準備が整う見通し。

 ストアドットはEVEエナジーと戦略提携しており、EVEエナジーは中国におけるXFC電池の量産支援に合意している。

 この画期的な技術開発の作業は、別の戦略提携パートナーである英エネルギー大手BPとの協力を通じて英ウォーリック大学で開始された。開発はセル(電池の単体)設計に関する5件の特許で保護され、ストアドットの連続タブ技術を応用している。こうしたセル設計は時間当たりの処理量を向上させ、円筒型電池のハードケース構造によくある安全性とパフォーマンスの問題にも対応できる。

 ドロン・マイヤースドルフCEOは「シリコンを主体とする当社のXFC電池化学には適応性があり、変化する市場のニーズに合わせてさまざまなパッケージ形式に適用できる。シリンダー型とパウチ型のどちらも、安全、信頼性、安定性を備えた設計になっており、24年までに量産される予定だ。多くの大手自動車メーカーと交渉を進めている」と話している。

https://autotechinsight.ihsmarkit.com/news/5262467/ev-battery-startup-storedot-reveals-fast-charging-4680-cylindrical-cell-prototype