Tuesday, September 28, 2021 9:42 AM

フォードとレッドウッド、EV電池材料のリサイクルで提携

 フォードと新興の電池リサイクル会社レッドウッド・マテリアルズ(Redwood Materials、ネバダ州)は、電気自動車(EV)用電池の原材料調達から使用済み製品の再利用まで、クローズドループ(循環型)の電池材料サプライチェーンを構築するため提携している。

 ロイター通信によると、輸入材料への依存を軽減してEVのコストを下げると同時に、電池材料の採掘や精製に伴う環境への影響の緩和を目指す。両社は、フォードと合弁で米国内にEV用電池製造会社ブルーオーバルSK(BlueOvalSK)を立ち上げた韓国の電池大手SKイノベーションとも緊密に協力していく。

 レッドウッドは、テスラの元幹部JB・ストラウベル氏が2017年に設立し、ネバダ州の施設で使用済みのEV電池や電池の材料をリサイクルしている。9月中旬には、リサイクルした材料を加工し、電池の正極材や負極材などに再生する事業を新しく始めると発表。25年までにEV100万台分、容量換算で年間100ギガワット時(GWh)分に相当する正極用活物質(CAM)を製造する目標を掲げた。

 同社はネバダ州で電池大手のパナソニック、テネシー州では中国の車載電池大手エンビジョンAESCと提携するほか、アマゾンとも提携している。21年内にはフォード車の使用済み電池から一部材料のリサイクルを始め、23〜24年に負極材料、25年には正極材料の供給開始を目指す。

 EV電池のライフサイクル管理は、自動車メーカーと電池メーカーいずれの事業計画においても重要性が高まっている。ゼネラル・モーターズ(GM)と提携する韓国の電池大手LGエナジー・ソリューションは、両社の合弁会社アルティアム・セルズがオハイオ州とテネシー州に建設している電池工場から出る廃材をリサイクルするため、5月にカナダの電池資源回収会社ライサイクル(Li-Cycle)と提携している。

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/ford-redwood-form-circular-supply-chain-ev-battery-materials-2021-09-22/