Thursday, October 14, 2021 9:35 AM

ウルフスピード、GMに半導体部品供給

 半導体メーカーのクリー(ノースカロライナ州)はGMの次世代EVプログラム向けにシリコンカーバイド(SiC)パワーデバイスを供給する契約を獲得したと発表した。同時に、社名をウルフスピード(Wolfspeed)へと変更したことを明らかにした。

 ロイター通信によると、ウルフスピードの技術は、GMのEVに搭載される車両制御システム「アルティアム・ドライブ」のパワーエレクトロニクスに使われる。

 社名の変更は、成長するEV市場にビジネスの軸足を移したことが理由。クリー時代は照明用LED(発光ダイオード)チップの製造が主力事業だったが、20年、3億ドルでスマート・グローバル・ホールディングスに同事業を売却した。

 ウルフスピードは、EVの電池から駆動モーターに電力を伝える部品として、標準的なシリコンよりエネルギー効率の高いSiC半導体を製造している。EVの航続距離を延ばすのに役立ち、テスラは早くからこの種の半導体を採用。他の自動車メーカーも追随している。

 しかし、SiC半導体は結晶原料を特殊な炉に入れて炭化させ、標準的なシリコンとは異なる方法で半導体に加工する必要があり製造が難しい。ウルフスピードは30年にわたりシリコンカーバイドを扱ってきた実績があり、独自のSiC半導体製造だけでなく、世界のSiC原料の約60%を生産してインフィニオン・テクノロジーズ、STマイクロエレクトロニクス、オンセミコンダクターといった競合他社に供給している。

 半導体の生産はノースカロライナ州の2つの小規模工場で行っているが、ニューヨーク州に大型工場を建設中で、約5カ月後の稼働開始を見込んでいる。同工場は、世界最大の炭化ケイ素製造施設になる。