Tuesday, October 19, 2021 10:09 AM

CATL、商用EVのELMSに電池供給

 商用電気自動車(EV)メーカーのエレクトリック・ラスト・マイル・ソリューションズ(ELMS、ミシガン州)はこのほど、中国のEV用電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)と電池の供給契約を結んだ。契約期間は2025年まで。

 ロイター通信によると、ELMSは、9月にインディアナ州ミシャワカ工場で製造を開始したクラス1の小型電動バン(価格は連邦税控除前で3万4000ドル〜)にCATLの電池を搭載する。CATLが供給するのは、セルトゥーパック技術を使った実装が簡単なリン酸鉄リチウム(LFP)電池。ほかの電池で使われているコバルトやニッケルベースの正極材よりも安く安全なのが特徴だ。

 ELMSの広報担当者によると、両社はCATLが米国に工場を持ってセル(電池の単体)を製造し、ELMSがインディアナ工場で電池パック(セルの集合体)を組み立てる体制も模索している。ロブ・ソング副最高財務責任者(CFO)は「(契約締結によって)われわれは非常に困難な環境で電池の供給を確保するための重要な通過点に達した」と話している。

 6月に特別買収会社(SPAC)との合併を通じて上場したELMSは8月、新型コロナウイルス問題や業界全体の供給問題があるにもかかわらず、21年内に小型電動バンを1000台生産する計画が順調に進んでいると発表している。さらに22年後半にはクラス3の大きめの小型電動トラックを製造する予定。

 自動車メーカーが環境規制の強化に対応するため車両の電動化を加速させる中、EV用電池メーカーは世界を視野に生産を拡大している。テスラ、フォルクスワーゲン(VW)、ゼネラル・モーターズ(GM)を含む大手自動車メーカーに電池を供給しているCATLは、米国工場の開設を公式に発表していないが、20年にケンタッキー州グラスゴーの施設を購入しており、州当局もすでに、CATLがここに電池パック工場を開設する場合の優遇措置をいくつか提示している。

https://www.reuters.com/technology/commercial-ev-startup-elms-signs-battery-supply-deal-with-catl-2021-10-14/