Thursday, November 04, 2021 9:18 AM

衝突事故、アイフォーンが自動で緊急通報

 アップルは、2022年から同社の携帯電話アイフォーンと腕時計型の装着可能端末アップルウォッチに、乗車中の事故発生を自動で911通報(日本の110番および119番に相当)する「衝突検出(crash detection)」機能を加える計画だ。ウォールストリート・ジャーナルが関係者の話や関連文書を基に報じた。

 衝突検出機能は、アップルの端末に組み込まれている加速度計などのセンサーが感知するデータ、例えば衝撃による強烈な重力変化などをきっかけに事故の発生を検出する。

 関連文書によると、アップルはこの1年間、アイフォーンとアップルウォッチの利用者から提供された匿名データを集めて衝突検出機能をテストしており、すでに車両に衝撃があったと考えられる事例を1000万件以上検出し、そのうち5万件以上で911に自動通報したという。アップルはまた、911通報のデータを活用して衝突検出アルゴリズム(計算手法)の精度を向上させている。

 同社は近年、モーションセンサー技術を活用して端末に安全機能を組み込む動きを広げており、数年前にはスマートウォッチに転倒検知機能を導入している。着用者が激しく転倒したことを感知すると、異常がないかどうか尋ねる通知を送り、応答がない場合は911に通報する仕組み。21年にはアイフォーンの基本システム(OS)の最新版に、ユーザーの歩行が安定しているか評価する機能も追加した。

 スマートフォンに衝突検出機能を搭載したのはグーグルが最初で、19年に「ピクセル」にこの機能を追加した。また、アップルストアでは多くのアプリが、人工知能(AI)や位置追跡機能を使って自動事故検出機能を提供している。

 一方、ゼネラル・モーターズ(GM)は1996年以来、テレマティクス・システム「オンスター」搭載車で「自動事故対応(automatic crash response)」機能を提供して月に6000件以上の衝突通報に対応している。オンスターは最近、どんな車でも使える「モバイル・クラッシュ・リスポンス」サービスを提供する有料スマホ・アプリも発表している。

https://www.wsj.com/articles/apple-wants-iphones-to-detect-car-crashes-auto-dial-911-11635768001?mod=tech_lead_pos2