Friday, February 18, 2022 6:00 AM
水素製造装置の販売、22年は4-5倍増へ
風力や太陽光発電を利用して量産する「クリーン水素」の需要が急速に高まっており、2022年上半期の各国政府による水素関連投資額は年換算で160億ドルに達し、21年7月時点から40%増加するとの予想をブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)が発表した。
グリーンカー・コングレスによると、年間160億ドルは、クリーン水素が脱炭素化経済で大きな役割を果たすために必要な額の3分の2に相当する。エレクトロライザー(水電解装置)の21年販売量は出力換算で前年比2倍超の458メガワット(MW)に上り、22年はさらに4〜5倍の成長が予想される。販売のほぼ3分の2は中国が占める見込み。
BNEFのデータベースによると、世界では現在、122ギガワット(GW)の水素電解装置プロジェクトが計画されており、21年7月時点の50GWから大幅に増加。22年は10件の産業プロジェクトが稼働する予定で、クリーン水素の需要は急増が見込まれている。中国の2つのプロジェクトだけで、今年4万トン以上のクリーン水素が使われる予定で、これは世界のすべての水素燃料電池車(FCV)用を合わせた量の数倍に相当する。
水素需要のさらなる上昇につながる政策提案も増えており、これには産業の脱炭素化、クリーン燃料の使用義務付け、輸送関連の排ガス規制強化、水素関連のエミッション認証基準作成などが含まれる。
水素市場が成長を続けるにはより強力な脱炭素化政策が必要で、水素が強力な役割を果たす可能性のあるアンモニア、メタノール、石油精製、鉄鋼などの分野における炭素取引価格の上昇などが重要になる。
水素の将来性は、FCVよりも、移行が難しい産業部門の脱炭素化の方がはるかに大きい。政府が水素に投じる資金は急増が続いており、このペースでいけば、1、2年内には業界が30年までに力強い成長とコスト削減の軌道に乗るために必要な公的資金が投入されるとBNEFは予想している。