Wednesday, October 12, 2022 6:54 AM
ラインメタル、先進ターボバイパス装置を大口受注
ドイツの推進部品と電動モビリティー技術大手ラインメタル(Rheinmetall)は、欧州の大手自動車メーカーから2000万ユーロ(1950万ドル)に上る先進ダイバートエア・システム(divert-air systems、空気移動切り替え装置)の供給契約を取り付けた。
同社のプレスリリースによると、このメーカー(社名非公表)とは長年の関係があり、新規注文によって同社は大手自動車メーカーの主要サプライヤーとしての役割を拡大できる。発注者は世界5大自動車メーカーの一つで、最初は少量から始まったシステムの注文は継続的に拡大し、今回数千万ユーロ規模に達したという。
グループ子会社のピエルブルグ(Pierburg)も最近、同じ自動車メーカーから部品を受注しており、ラインメタルは拠点のデュッセルドルフに近いノイスにあるピエルブルグの工場で受注品の生産を行う予定。ノイス工場は、数年前に組立ラインを再構築し、類似した部品の生産と複数の顧客からの同時受注に対応できるようにしている。
ラインメタルが供給するターボ・バイパス・バルブ(TBV)「Gen 6」は、最新世代のエアダイバート・バルブで、内燃機関やハイブリッド車(HV)の排気系のターボチャージャーに使われる。モーターの負荷変動に伴う過剰なブースト圧をなくして、騒音の発生やターボチャージャーの損傷を防ぐ。
バルブシステムは、アクセルペダルから足を離してスロットルフラップが閉じた時に作動し、正の体積流量を持つ安定した圧力比が再確立されるまで、コンプレッサーを介して空気を後方に放散して圧力反動を制御する。その際、エアダイバート・システムはコンプレッサーホイールの周囲に迂回路(バイパス)を形成する。このバイパスは、ターボチャージャーがサージ限界を超えないよう吸気マニホールドの圧力を急低下させられるだけの大きさが必要となる。
ラインメタルは、長年にわたって業界のエネルギー転換で必要な技術の最適化に貢献しており、今回の受注は同社が代替エネルギー駆動装置への移行に成功しているしるしだと強調している。
https://www.rheinmetall.com/en/rheinmetall_ag/press/news/latest_news/index_34944.php