Monday, October 31, 2022 3:20 AM
BASF、メルセデス向け部品製造にマスバランス方式を導入
ドイツの化学大手BASF、メルセデス・ベンツ、熱分解の新興企業ピュルム・イノベーションズ(Pyrum Innovations)、電気・機械部品製造ビッテ・オートモーティブ(WITTE Automotive)は、再生可能な原料を使った樹脂をマスバランス方式(物質収支方式=認証原料と非認証原料の混合を認める調達法)で自動車部品生産に導入する材料供給システムを確立した。
グリーンカー・コングレスによると、ピュルムが生産した廃タイヤ由来の熱分解油および農業廃棄物や食品産業の残り物から得たバイオメタンを使って、BASFは「ウルトラミドポリアミド6」を製造。マスバランス方式を適用して22年内にメルセデス・ベンツ「Sクラス」と「EQE」のドアハンドルに使われる。
「ウルトラミドポリアミド6」は、ガラス繊維を30%強化したプラスチックで、最高品質の石油由来プラスチックと同じ特性を持ち、要求の厳しい自動車部品にも使える。熱分解油やバイオメタンは、REDcert(欧州の品質認証制度)に従って独立機関の認証を受けた後、最終製品で化石原料の代わりに使われた量が検証され、BASFの生産ネットワークに供給されてビッテに納品される。その後、ビッテが製造したドアハンドルもREDcert規格に基づいて外部監査が行われる。
4社が共同開発したこのアプローチは、メルセデス「Sクラス」用のクラッシュアブソーバーにも使われる予定だ。