Thursday, November 10, 2022 5:25 AM
アウスターとベロダインが合併〜4億ドルのライダー企業が誕生
高解像度ライダー(光検知・測距装置)開発のアウスター(Ouster、カリフォルニア州)と同業のベロダイン・ライダー(Velodyne Lidar、同)は、自動運転分野における収益性の拡大を目指して、株式交換による合併に合意した。
ロイター通信によると、両社は自動運転車(AV)の「眼」として周囲の状況を認識する精密なセンサー市場で競合しているが、AVの大規模導入の見通しは遅れており、いずれも2022年に入って株価を大きく落としている。
アウスターのアンガス・パカラCEOは1日、ロイターに対し「この分野では財務的に強くなければならず、そのために必要な統合が起きている」と話した。新会社ではバカラ氏がCEOに、ベロダインのテッド・テュークスベリーCEOが会長に就任する。社名は後日発表する予定で、合併によって時価総額約4億ドルの会社が誕生する。
両社は、9月末時点で合計約3億5500万ドルの手元資金があり、合併手続き完了後9カ月以内に年率換算で少なくとも7500万ドルのコスト削減を目指す。パカラ氏は「両社には多くの重複分野があり、より早く収益性を高める道を模索している」と述べた。
合併後の事業は、両社の既存株主に半分ずつ分配され、ベロダインの株主は1株につき0.8204株のアウスター株を受け取る。
ライダーは、自律走行機能や高度な環境マッピングに欠かせない部品として自動車での利用が拡大している。完全な自動運転まではいかなくてもハンズフリー(手放し)運転システムを実現するためにライダーを搭載する車は増えており、この技術の需要は急激に高まると予想され、パカラ氏は「ライダー技術の見通しは非常に明るい」と見ている。