Monday, December 19, 2022 6:14 AM

MS、シリコン電池材料の新興企業に出資

 マイクロソフト(MS)は、10億ドルの気候変動対策基金を通じて、電気自動車(EV)の電力供給および充電技術の改善を目指す新興企業グループ14テクノロジーズ(Group14 Technologies、ワシントン州)に出資する。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、グループ14は最近、投資家グループから2億1400万ドルの資金を調達しており、MS以外の投資家にはオマーンの政府系ファンドや、プライベート・エクイティ会社ライトロック(Lightrock)が支援する気候変動対策基金が含まれる。

 グループ14は、連邦インフラ整備法を通じてエネルギー省からも1億ドルの助成金を取得し、2022年初頭にはポルシェ、リバーストーン・ホールディングス、ブラックロックとシンガポール国営投資会社テマセック・ホールディングスの合弁会社などの投資家から4億ドルを調達しており、今回の資金調達で時価総額は30億ドルを超えた。

 同社のシリコン負極材は、既存の黒鉛主体の材料より効率が高く、ポルシェなどの自動車メーカーにより強力な電池を提供できる可能性がある。また業界幹部は「シリコン負極電池は、EVの普及につながるもう一つの重要なステップである超高速充電を実現する」と見ている。

 グループ14は15年設立。同社によると、ワシントン州に工場を持つことでシラ・ナノテクノロジーズ(Sila Nanotechnologies)、イノビックス(Enovix)、アンプリアス・テクノロジーズ(Amprius Technologies)など同様の技術を広げようとしているカリフォルニアの新興企業より優位に立っているという。

 シーラは最近、エネルギー省から1億ドルの助成金を受け取り、21年はTロウ・プライス・グループを含む投資家から約6億ドルを調達。イノビックスとアンプリアスは、特別目的買収会社(SPAC)との合併を通じて上場している。

 グループ14は、新しい資金を使ってワシントン州中部でより大きな製造施設の開発を進める予定。この施設ではEV10万台分以上の電池材料を生産する。