Tuesday, February 28, 2023 5:58 AM

ステランティス、EV非接触充電でヒーボと提携

 ステランティスは、電気自動車(EV)にワイヤレス充電機能を組み込むため、非接触充電システム開発のヒーボ(HEVO、ニューヨーク州)と提携する。

 グリーンカー・コングレスによると、ワイヤレス充電は、簡便性と安全性の向上を目的に設計されており、コード(電線)管理に伴う運用上の問題を解決する。

 ヒーボのEV向け非接触充電技術は、最大95%の効率(電力系統と車載電池間)を提供し、SAEおよびULの無線充電規格に準拠している。

 充電パッド(地面に置くサーフェスマウントまたは埋め込んで段差をなくすフラッシュマウント)は、ヒーボの給電ステーションを介して電力系統(グリッド)に接続され、非接触で車載パッドに電力を伝送し、車載パッドは電池アダプター経由で電池に電力を送る。

 ハードウェア機器間の通信はクラウド経由で同期されたヒーボのアプリケーションが提供し、エンドユーザーとの唯一のインターフェイスとして機能する。

 ヒーボの給電ステーションは最大8キロワット(kW)の電力を供給し、非接触充電とコードでつなぐプラグイン充電ができるよう設計されている。交流(AC)または直流(DC)どちらの電源にも対応し、オプションで米国規格「SAE J1772タイプ1」または欧州規格「IEC 62196-2タイプ2」(メネケス型とも呼ばれる)のコネクターとのプラグイン接続が可能。UL2750およびSAE J2954ワイヤレス充電認証も受けている。

 大量導入に先立つこの技術の初期の用途には、物流や輸送用車両が含まれ、障害を持つドライバーも米国障害者法(ADA)に準拠した利用しやすい充電の恩恵を受けられる。

 ヒーボとステランティスは、まずミシガン州オーバンヒルズにあるステランティスのオフィスビルでプラグイン・ハイブリッド車(PHV)「クライスラー・パシフィカ」を使ったレベル2非接触充電の実証実験を行う。2023年中にこの実験が完了し、その後50kWの急速非接触充電の実験に成功すれば、ヒーボは、生産量の拡大に伴いプラグイン充電とのコスト競争力に期待するステランティスの顧客に非接触充電を提供する機会を得ることになる。