Thursday, March 09, 2023 6:07 AM

ラインメタル、電動トラック用部品を初受注

 ドイツの自動車部品大手ラインメタル・オートモーティブのキャスティングス(鋳造)部門は最近、有名トラックメーカーから、電動トラック用に特別設計されたギヤボックスの新規受注を獲得した。

 グリーンカー・コングレスによると、ラインメタルは今回、低圧鋳造分野の競合2社による入札を経て注文を獲得しており、受注額は1000万〜4000万ユーロになるという。生産は2026年1〜3月期に開始し、当面は5年間続ける予定だが、両社はプロジェクト全体の期間を15年以上とすることに合意しており、将来的には追加受注が予想される。

 ギヤボックスは完全機械加工部品として供給され、鋳造はネッカーズルム工場で、最終加工はランゲンハーゲン工場で行われるため、両生産拠点の能力を最適に活用でき、ラインメタルにとって相乗効果が期待できる。

 電動トラックはまだ開発の初期段階にあり、環境に優しい先進的な駆動技術への転換が進む中で大きな成長の可能性を秘めている。ラインメタルにとって初の電動トラック部品受注は非常に重要で、これによりeモビリティー分野における専門知識を応用・拡大し、成長市場に実質的に当初から参加する機会を得られる。同社は、歴史あるトラックメーカーと協力してこの部品を共同開発し、欧州全域に導入して追加受注の可能性を高める考えだ。

 エンジン系部品の世界的大手である同社のキャスティングス事業部は、ラインメタル・グループのマテリアルズ&トレード部門に属し、エンジンブロック、構造部品、トランスミッション部品、eモビリティー部品など、幅広い製品を扱う。低圧/高圧鋳造のほか、砂型鋳造、永久鋳造などを行い、最終的な機械加工、表面コーティング、組み立てなどのサービスを提供している。

 キャスティングス部門は、ラインメタルと中国のSAIC傘下HASCOが共同所有しており、欧州のKS HUAYU AluTechと中国のHASCO KSPG Nonferrous Componentsで構成され、ラインメタルとSAICがそれぞれ50%の株式を保有している。