Wednesday, March 29, 2023 7:07 AM
ライサイクル、フランスに電池処理工場を建設へ
急成長を続けるカナダの電池リサイクル会社ライサイクル・ホールディングス(Li-Cycle Holdings)は、フォークリフトや産業機器大手の独キオングループ(Kion Group)から供給される使用済み電池から資源を回収するため、フランスに新しい処理施設を建設する。
ロイター通信によると、新施設は2024年のオープンを予定しており、ドイツとノルウェイで建設している同様の施設を補完する。フランスの工場では、フォークリフトなどキオンの重機で使われたリチウムイオン電池を分解する予定で、ライサイクルにとっては消費者向け自動車市場以外から初めて再生用電池の供給を受けることになる。
同社は使用済み電池の処理工場を世界各地に建設するため年間4000万ドルの予算を組んでおり、ティム・ジョンストン会長は「顧客がサプライチェーン(供給網)の現地化を進める中、当社はリサイクルの地域的展開を強く信じている。欧州は引き続き電動化の中心であり、当社もそこで成長を続ける」と述べた。
ライサイクルは、最終的にはキオンが170万台のフォークリフトを所有し、その大半にリチウムイオン電池が搭載されると見込んでいる。フォークリフトは使用頻度が高いため、電池の消耗は乗用の電気自動車(EV)用電池よりも早い可能性が高い。
同社の欧州事業計画は、北米のハブ・アンド・スポーク・ネットワークを基本にしている。同社は北米全体に構築中の電池収集・処理施設(スポーク)で使用済み電池をブラックマス(コバルトやニッケルなどの重要鉱物を含む破砕くず)に加工し、ニューヨーク州ロチェスターに建設中の中央施設(ハブ)でブラックマスからリチウムやニッケルなどの金属を抽出する予定で、フランスなど欧州の拠点で生産したブラックマスもロチェスターに輸送する計画だという。